おみくじ神社やお寺で引くくじ
神社やお寺で引く日本のくじ占い。吉凶の順番や由来、結果の読み方を紹介し、1日1回無料で「今日のおみくじ」を引けます。
発祥:日本平安時代〜(諸説あり)カード等を引く体験できる
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おみくじとは
おみくじは、神社やお寺で神仏の意思をうかがうために引く「くじ」です。「くじ」に敬意を表す「御(お・み)」をつけた言葉で、漢字では「御神籤」や「御籤」と書きます。紙には「大吉」「凶」などの吉凶のほか、和歌や漢詩、願い事や旅行などについての短い言葉が書かれています。
初詣でおみくじを引く人は多く、日本でいちばん身近な占いのひとつといえます。一方で、その成り立ちや読み方は、意外と知られていません。ここでは、おみくじの歴史と仕組み、引き方を紹介します。
おみくじの由来と歴史
くじで神の意思を問う
くじを引いて神の意思をたずねる習わしは、古くからありました。昔は、国の大事や後継ぎを決める場面でもくじが使われたとされます。よく知られた例が、室町幕府の6代将軍・足利義教(よしのり)です。正長元年(1428年)、4代将軍の義持が後継ぎを決めずに亡くなったため、石清水八幡宮の神前で引いたくじによって選ばれました。
元三大師とおみくじ
今のような番号と漢詩のついたおみくじは、平安時代の天台宗の僧・良源(りょうげん、912〜985年)に由来するとされる「元三大師御籤(がんざんだいしみくじ)」がもとになったと言われています。良源は比叡山延暦寺の第18代天台座主(ざす)で、正月三日に亡くなったことから「元三大師」と呼ばれます。
比叡山の横川(よかわ)にある元三大師堂(四季講堂)には「おみくじ発祥の地」の碑が立ち、良源はおみくじの創始者として知られています。ただし、良源が自らおみくじを作ったかどうかは、はっきりしていません。元三大師御籤は、100本のくじから1本を引き、番号に対応する五言四句の漢詩で吉凶を占うものとされます。中国の寺の籤(せん)の影響を受けたとする説もあり、江戸時代の初めに天海が広めたという言い伝えもあります。起源には諸説あるので、伝承として受け取るのがよいでしょう。
江戸時代になると、元三大師御籤の解説書(御籤本)が多く出版され、寺のおみくじとして庶民の間に広まったとされます。
和歌のおみくじ
神社のおみくじには、漢詩ではなく和歌が書かれたものが多くあります。和歌で神意をうかがう「歌占(うたうら)」という占いも古くからあり、和歌のおみくじにはその流れもあるとされます。明治時代に神道と仏教が分けられて以降、神社が独自のおみくじを作るようになり、和歌のおみくじが広まったと考えられています。
東京の明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」のように、吉凶を書かず、明治天皇と昭憲皇太后の和歌と解説だけを記したものもあります。
おみくじを作る神社
山口県周南市の二所山田神社が設立した「女子道社(じょしどうしゃ)」は、全国の神社やお寺に向けておみくじを作っていることで知られます。寺社でよく見かける、おみくじの自動頒布機を考案したのも同社とされます。
おみくじの仕組み
吉凶の種類と順番
吉凶には、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶などがあります。寺社によっては半吉や末小吉、大凶を入れているところもあります。順番は「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」とされることが多いものの、吉と中吉のどちらが上かなど、寺社によって考え方が異なります。気になるときは、引いた寺社に聞いてみるのがいちばんです。
凶の割合も寺社によって違います。元三大師御籤の流れをくむ漢詩のおみくじでは、凶がおよそ3割入っているものもあるとされます。
項目ごとの言葉
おみくじには、吉凶のほかに「願望(ねがいごと)」「待人」「失物」「旅行」「商売」「学問」「転居」「縁談」などの項目があり、それぞれに短い言葉が添えられています。漢詩や和歌、その解説とあわせて全体を読むのが、本来の読み方とされます。
大吉でも「油断するな」と書かれていたり、凶でも「慎めばやがて開ける」と書かれていたりすることがあります。吉凶の一文字よりも、書かれた言葉を日々の心がけとして受け取ることが大切だといわれます。
おみくじの引き方
引くまでの流れ
一般的には、先にお参りを済ませてからおみくじを引きます。代表的な引き方は次のとおりです。
- 料金(初穂料・志納金など)を納めます。
- 六角形などの「みくじ筒」を振り、小さな穴から出てきた棒の番号を確かめます。
- 同じ番号の棚や引き出しから、おみくじの紙を受け取ります。
箱から直接紙を選ぶ方式や、自動頒布機を使う方式もあります。英語など外国語のおみくじを用意している寺社もあります。
引いたあとのおみくじ
境内の決められた場所に結んで帰る習わしがありますが、持ち帰って読み返してもよいとする寺社も多くあります。結ぶ場合は、木の枝ではなく、専用の「みくじ掛」に結ぶようにしましょう。木の枝に結ぶと木が傷むため、みくじ掛を用意している寺社が多くあります。持ち帰ったおみくじは、手帳などにはさんで、ときどき読み返すのもよい方法です。
世界の「くじ占い」とよくある誤解
アジアの籤との関係
中国や台湾の寺廟でも、筒を振って番号つきの竹の棒を出し、その番号の詩で運勢を占う籤が広く行われています。台湾などでは、三日月形の木片を投げる擲筊(ポエ)で、その籤でよいかを神に確かめる習わしもあります。タイの寺院のシアムシも、よく似た仕組みのくじ占いです。
「凶が出たら不運」ではない
凶を引くと落ち込む人もいますが、おみくじは不運を決めつけるものではありません。多くのおみくじは、これから気をつけたいことを教えてくれる言葉として書かれています。
何度も引いてよいか
同じ日に何度も引き直すことについては、寺社や人によって考え方がさまざまです。一度引いたおみくじの言葉をじっくり読むほうが、心に残りやすいかもしれません。
大事な判断はおみくじだけで決めない
おみくじには「病気」や「相場」などの項目が入っていることもあります。しかし、体調や治療、お金や法律にかかわる判断は、おみくじではなく医師や専門家に相談してください。おみくじは、背中を押してもらったり、心を整えたりするための楽しみとして付き合うのがよいでしょう。
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参考文献
- 観光庁 多言語解説文データベース「四季講堂(元三大師堂)立て看板」 https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/H30-00774.html
- 観光庁 多言語解説文データベース「授与所 解説文(おみくじ/大御心)」 https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/H30-00533.html
- おいでませ山口へ(山口県観光連盟)「二所山田神社」 https://yamaguchi-tourism.jp/spot/detail_13125.html
- コトバンク「足利義教」 https://kotobank.jp/word/%E8%B6%B3%E5%88%A9%E7%BE%A9%E6%95%99
- 大野出『元三大師御籤本の研究―おみくじを読み解く―』思文閣出版、2009年
- 平野多恵『おみくじの歌』笠間書院、2019年
最終更新:2026-10-08