世界じょうしき図鑑

インド占星術インドに伝わる星の学

古代インドのヴェーダの学問に由来する占星術。実際の星座の位置を使う点や、27の月宿、結婚相性の判定などが特徴です。

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生まれたときの月が、27のナクシャトラ(月宿)と12のラーシのどこにあったかを恒星基準で計算し、心の持ち味を読みます。

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月はおよそ1日に1つずつナクシャトラを移るので、時刻がわからないと2つの候補になることがあります。ダシャーは時刻がわからないと正午で計算し、区切りの年が1〜2年ずれることがあります。生年月日と時刻そのものは保存しません。

無料・登録不要です。同じ生年月日・時刻なら、2回目からは保存した結果をすぐに表示します。

概要

インド占星術は、インドで古くから受け継がれてきた占星術です。サンスクリット語では「ジョーティシャ」と呼ばれます。「ジョーティス(光、天体)」に関する学問という意味です。英語圏では「ヴェーダ占星術」と呼ばれることもあります。

生まれた日時と場所から天体の配置図(ホロスコープ)をつくり、性格や人生の流れを読みます。結婚相手との相性や、結婚式などに向いた日取りを決めるときにも使われてきました。

由来と歴史

ヴェーダの補助学として

古代インドでは、聖典ヴェーダを正しく学び、儀式を行うための六つの補助学問(ヴェーダーンガ)がありました。ジョーティシャはその一つです。もともとの役目は、儀式をいつ行うかを決めるための暦の計算でした。現存する最古の文献とされるのが『ヴェーダーンガ・ジョーティシャ』です。成立年代には諸説あります。

月の通り道を27または28に分けた「ナクシャトラ」は、ヴェーダの時代から日付を表すのに使われていました。

ギリシャから伝わったホロスコープ

一方で、12星座や惑星の配置から個人の運命を読む「ホロスコープ占星術」は、ギリシャ系の占星術がインドに入ってきたものと考えられています。その代表が『ヤヴァナ・ジャータカ』(ギリシャ人の出生占い)です。インド学者デイヴィッド・ピングリーは、2世紀にギリシャ語の文献がサンスクリット語に訳され、それをスプジドヴァジャが269/270年に詩の形にまとめたと考えました。ただし近年、写本を調べ直した研究者ビル・マックが、この年代の読み方に異論を出しています。

6世紀には、天文学者ヴァラーハミヒラ(587年没)が出生占いの書『ブリハッジャータカ』などを著しました。彼は西洋の天文学にも通じていました。古代の聖仙パラーシャラの教えとされる書物もよく読まれていますが、今の形にまとめられたのは、伝承よりずっと後の時代と考えられています。

仕組み

サイデリアル方式

西洋占星術の多くは、春分の日の太陽の位置を「おひつじ座の0度」とする方式(トロピカル方式)をとります。インド占星術は、実際の星座、つまり恒星を基準に12の区画(ラーシ)を決めます。これをサイデリアル方式といいます。

地球の自転軸はゆっくり首を振るように動いています(歳差運動)。そのため春分点は、約72年に1度の速さで星座の中をずれていきます。いまでは二つの方式に約24度の差があります。このため、同じ誕生日でも太陽の星座がひとつ前にずれることがよくあります。差をどれだけとるかには流派があり、インドではラーヒリ方式と呼ばれる値が広く使われています。

九つの「惑星」とラグナ

使う天体は、太陽・月・火星・水星・木星・金星・土星の七つに、ラーフとケートゥを加えた九つです(ナヴァグラハ)。ラーフとケートゥは実際の星ではありません。月の通り道と太陽の通り道が交わる二つの点のことで、日食や月食が起こる場所にあたります。

生まれた瞬間に東の地平線から昇っていた区画を「ラグナ」と呼び、ホロスコープの出発点にします。ラグナは約2時間で次の区画に移るため、正確な出生時刻が必要になります。

ナクシャトラ

月は約27.3日で星空をひと回りします。そこで月の通り道を27等分し、ひとつ13度20分の区画にしたものがナクシャトラです。月はおよそ1日に1宿ずつ進みます。生まれたときに月がいたナクシャトラは、性格を読む手がかりとして特に重視されます。

ダシャー

ダシャーは、人生をいくつかの時期に区切り、それぞれの時期を「支配する」天体を決める方法です。よく使われる「ヴィムショッタリ・ダシャー」では、一巡を120年とし、九つの天体に長さの違う期間を割り当てます。どの天体の時期から始まるかは、生まれたときの月のナクシャトラで決まります。

結婚の相性と日取り

インドでは、結婚の前に二人のホロスコープを照らし合わせる習慣が今も広く見られます。北インドでよく使われる「グナ・ミラン(アシュタクータ)」では、主に月のナクシャトラをもとに8つの項目を点数にし、合計36点で相性を表します。一般に18点以上が目安とされます。南インドでは10項目で見る方式も使われます。火星の位置を気にする「マンガル・ドーシャ」も、よく確かめられる点です。

結婚式や引っ越しの日時を選ぶ「ムフールタ」にも占星術が使われます。どこまで重視するかは、家庭や地域によってさまざまです。

現代のインド占星術

いまではホロスコープの計算はソフトで簡単にできます。2001年には、インドの大学補助金委員会(UGC)が大学での占星学の講座を後押ししました。科学者たちは反対して裁判を起こしましたが、2004年に最高裁判所は訴えを退けています。占星術の予言が科学的な検証で確かめられたわけではなく、批判は今も続いています。

豆知識

ナクシャトラは仏教の経典とともに中国へ伝わり、日本では「宿(しゅく)」と訳されました。その流れをくむのが宿曜占星術です。12星座は西洋占星術と根が同じですが、基準の取り方が違います。

参考文献

最終更新:2026-10-08

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